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ヨーゼフの眼鏡
日比野純一がアレコレ気侭に綴ります
インド洋沖津波の復興ラジオ局−タイ、インドネシアの被災地を訪れる(その2)−
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タイ2日目の8月31日は、バンコクからノックエアという新しい航空会社の飛行機に乗り午前10時半前にプーケット空港に着きました。タイには学生時代から数えて5回以上も来ているのですが、プーケットをはじめ南タイを訪れるのは今回が初めてです。

バンコクから向かったのは、今回のタイ視察全般のアレンジをしてくれたスラチャイ(報告その1参照)と、タイのコミュニティラジオ放送連盟会長のビーチェ ン・クッタワスさんと私の三人。プーケット空港には、タイ・コミュニティラジオ放送連盟の南タイ地域コーディネーターのスリポル・サジャッパンさんとアシ スタントのメオさんが私たち三人を迎えてくれました。

タイ南部はコミュニティラジ オの活動が活発な地域で、2004年12月の津波被害の前には15局が放送をしていて、津波の被災地支援を経て現在はその数が30局に増えています。スラ チャイさんはその理由として、(1)タイの主流文化と違うイスラム文化が根付いていること(2)津波被害と支援活動(3)コーディネーターのスリポルさん の存在−の三つの要素をあげています。

空港から最初に向かったのは、プーケットから北に60キロのパンガという小さな町。海岸沿いの道路を走る車の窓から見えるアンダマン海は見とれるほど美し くて、津波がこの町を襲ったことなどまるで嘘のようです。町の外れにある公設の地域コミュニティセンターの中にある、「ノイティ」という名前のコミュニ ティラジオ局を訪れると、ちょうど二人の男性が生放送をしている最中でした。

この地域コミュニティセンターから海岸までは約5キロほどの距離があるのですが、センターより少し低地にある近くの村は津波の被害に遭って住宅は全滅をしてしましました。その跡形がセンターから遠くに悲しげに見えました。

ラジオ局は津波の数週後にコミュニティラジオ連盟のビーチェンさんとスリポルさんの協力で設置され、国際ロータリークラブが送信機などの機材を寄付してく れたほかに、地元の仏教寺院からも大きな支援を受けました。緊急時ラジオというよりは救援、復興の役割を担ったラジオ放送です。

現在は、6〜8人のボランティアで放送が続けられていて、放送時間は午前8時から午後6時半まで。地域情報や宗教(仏教)、娯楽などの番組のほかにタイ NGOによるビルマ人労働者向けビルマ語番組もありました。活動を支援している地元企業や商店、農家などのCMも放送していました。

パーソナリティの一人、タムノンさん(63歳)はゴムとパームの生産農家を営んでいて、放送ボランティアを開局以来2年以上続いています。「少し生活にゆとりができたので、コミュニティラジオで地域貢献できるのはとても嬉しい」と活動を続いている動機を語ってくれました。

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パンガ町はタイ人が訪れるリゾートとして知られていましたが、津波の被害以来、観光客はパタっと来なくなり、海岸沿いのレストランはどこも閑古鳥が鳴いて いました。とくに海岸に近くに住んでいる人々は心理的トラウマを抱えていて、そこから離れたいと思っている人が少なくありません。さらに津波で土地や家屋 の契約書を喪失し、その所有を巡って住民同士のトラブルが多発し裁判沙汰になるケースも多々あるそうです。

美しい南タイの海を眺めながら、このコミュニティラジオがパンガ町の津波被害からの復興に貢献できることはどのくらいなのか、考えてしまいました。

海辺のレストランで昼食をとった後、津波でもっとも大きな被害を受けたナムケム町に移動をします。
(つづく)

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

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