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ヨーゼフの眼鏡
日比野純一がアレコレ気侭に綴ります
G8 Radio Forum 2008
meeting
coverage
studio

6月29日から7月10日まで世界中から集まってきた仲間達と札幌でこんな活動をしてきました。

http://gallery.me.com/hibijun/100014

テーマ:日々のつれづれ - ジャンル:日記

"メキシコには表現の自由はない"
火山

連載「中南米のコミュニティラジオを巡る旅」の第2回"メキシコには表現の自由はない"をお届けします。

「2年前に密告によって死の危険を感じたことがあります」
メキシコのコミュニティラジオ「ラ・ボラドーラ」代表のベロニカは表情を変えず当たり前のように語った。

世界コミュニティラジオ放送連盟(AMARC)のメンバーになって、世界のコミュニティラジオの中には命がけで表現の自由を守っている仲間達がいることは、セミナーでの報告やメーリングリストで知っていたが、殺害の危険にあった人に会ったのは始めてのことだった。

「ラ・ボラドーラ」はメキシコシティからバスで一時間半ほどのアメカメカ町にある。アメカメカ町の住民のほとんどはメスチーソで、先住民の言葉は二、三代前に消失をしてしまったという。この町を見守るようにして後方にそびえる大きな山があり、10年近く前にこの山の活動が活発化し、山が噴火する危機感を持った住民達が「ラ・ボラドーラ」を立ち上げたのだ。最初は政府の許可なく放送をしていたが、実際は災害に備えるために地元の行政も警察も放送に参加していた
そうだ(なんかFMわぃわぃとそっくり!)。そして2005年にAMARCメキシコのサポートで他の11のコミュニティラジオと一緒に政府の許可を得て、今に至っている。

スタジオ


メキシコシティから乗ったバスを降りると、AMARC世界大会(2006年11月)で会ったダニエルがベンチに座っていた。彼は昨年まで「ラ・ボラドーラ」の代表を務めていたが、昨年、大きな交通事故に会い、それを機に代表を降りた。彼は元々この町の住民ではなく、AMARCメキシコのスタッフとして「ラ・ボラドーラ」の立ち上げ支援のために10年前にこの町に移り住み、地元の人達にコミュニティラジオのノウハウすべてを伝えてきたのだ。
ダニエルは会議のために今からメキシコシティに向かうため、私の顔だけ見に来てくれたのだ。松葉杖をつきながらバスに乗る彼を見送った後に、しばらくしてベロニカ、エスペレンサ、ロシオの三人が車で迎えに来てくれた。

5分ほどで「ラ・ボラドーラ」に着いて、スタジオや事務所を一通り見学させてもらった後に、インタビューに入った。

「政府はコミュニティラジオを可視化したくないと考えている」
「いつも政府に没収される危険を持って活動している」
「政府はメディアを警戒し、弾圧している」
「メキシコには表現の自由はない」

コミュニティの人々が支え、参加している、ごく普通のコミュニティラジオ局のスタッフ(それもボランティア)からこんな言葉が相次いで飛び出してくるのだ。

ラ・ボラドーラ


今回の調査に先立ち、インターネット新聞JANJANで読んだ「メキシコではこの7年間に35人のジャーナリストが殺され、6人が行方不明となっている。侮辱や攻撃を受けたとして2007年中に告訴したジャーナリストは84人に上る」(IPSジャパン2008年1月14日配信)という記事を思い返し、頭を切り替えた。「ここはメキシコなんだ」と。

(つづく)
(文責:日比野純一)

なお、この調査は平成19年度科学研究費補助金(研究種目名 基盤研究(B))「非営利民間放送の持続可能な制度と社会的認知 コミュニティ放送のモデルを探る」を活用しました。

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中南米のコミュニティラジオを巡る旅(1)
アイマラ族のラジオコパカバーナで集合写真

2月17日から3週間ほど調査のためにアメリカ、メキシコ、コロンビア、ボリビアとアメリカ大陸を回って、3月9日に帰ってきました。今回は旅をしながらの現地レポートができませんでしたので、今日から旅の報告をしていきます。

連載「中南米のコミュニティラジオを巡る旅」
第1回 旅のプロローグ

ボリビアの首都ラパス(憲法上の首都はスクレにある)から、煉瓦づくり家が急傾斜な土地にへばりつくように建ち並ぶあいだを車で15分ほど走ると、標高4100メートルの町、エルアルトに着く。ここには、ボリビアの地方から移り住んで来たアイマラ族の人々、ケチュア族の人々、そしてペルーから移住してきた人々など90万人が集住しています。ラパスとはまったく町並みが異なり、人々の暮らしはラパスに比べると明らかに豊かではない。今日(3月6 日)はこの町ができて23周年の記念フェスティバルが開かれていて、アイマラ族のモラレス大統領ほか政府の要人も記念式典に参加しています。
ラパスから望むエルアルトの夕景

今回、中南米へ出かけることになったのは、一年半前にヨルダンのアンマンで開かれたAMARC(世界コミュニティラジオ放送連盟)の第9回世界大会でこの町から参加していたアイマラ族のフリアさんと出会い、コミュニティラジオがボリビアの先住民の運動から始まったことを教えてもらったことが、そもそものきっかけです。3週間にわたる中南米の旅の最後の日に、彼女が働いているNGO、エコホベセスを訪ねることができました。
エコフェベネスのフリアさんと

60年前にボリビアで生まれ、いまも他の地域より社会的に大きな力を持っているラテンアメリカのコミュニティラジオ。とくに先住民が失われつつある自らの文化と言葉を次世代に伝えていくためのコミュニケーションの手段として、それは特に重要なものとなっています。AMARC世界大会でもそれは随所に感じることができたのですが、実際に彼らの現場を訪れ、その活動を肌で感じて学びたい、そしてそれを日本のコミュニティラジオの運動強化につなげていきたい、とその時に強く思ったのです。それも私一人ではなく、日本の先住民族アイヌのラジオ局を運営する萱野志郎さんと震災前からラテンアメリカ一筋のFM わぃわぃ多言語番組プロデューサーの吉富志津代の二人ととともに。

ヨルダンから帰国後、その熱意を龍谷大学の松浦さと子さんに何度も伝え、非営利放送研究会(私も研究員の一人なんです)の研究調査として今回のラテンアメリカ訪問となりました。
 
2月17日に吉富志津代とともに日本を発ち、アメリカを経由してメキシコを周
り、続くコロンビアで萱野志朗さんと合流しボリビアまでの旅を、不定期ですがこれからレポートしていきます。
(つづく)
(文責:日比野純一)

吉富の旅日記はすでに次のブログにアップされています。
http://tomichan111.blog16.fc2.com/

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タイからコミュニティラジオの活動・専門家を招聘
8月にタイ南部の津波被災地を訪れて、いくつかの救援、復興のコミュニティラジオ局の活動をみてきましたが、今度はタイからその活動家、専門家を招き、ワークショップを開催します。

平日の昼間ですが。。。。。。


日タイ修好120周年記念募金助成事業
「コミュニティラジオと防災マネジメント」ワークッショップ

世界コミュニティラジオ放送連盟日本協議会(AMARC JAPAN)では、タイから2004年12月のインド洋沖津波で甚大な被害を受けて、被災地に緊急・救援・復興を目的にしたコミュニティラジオ局をいつくも開設したコミュニティラジオ活動家と「防災とコミュニティラジオ」の専門家を招き、「コミュニティラジオと防災、減災」をテーマにワークショップを開催します。

日 時:12月7日(金)14時-17時30分
場 所:たかとりコミュニティセンター(FMわぃわぃのNGOセンター)
    〒653-0052 神戸市長田区海運町3-3-8(JR鷹取駅から徒歩5分)
http://www.tcc117.org/fmyy/map/
参加費:無料
定 員:20名

第1部:事例報告(14時ー16時)
1)「救援ラジオ開設とコミュニティ再建
    ータイ南部の津波被災地の経験からー」
   報告者:ビーチェン・クタマス
   (タイ・コミュニティラジオ振興連盟会長)
   (タイ南部津波被災地の緊急ラジオ開設プロジェクト代表)
2)「タイのコミュニティラジオと防災」 
   報告者:スラチャイ・チュプカ
   (タイ・ミュニティラジオ教育センター講師)
   (ラムカムハエン大学講師)
3)「コミュニティラジオと災害マネジメント
      ーアジア太平洋地域の事例から学ぶー」 
   報告者:松浦哲郎
   (世界コミュニティラジオ放送連盟アジア太平洋地域副代表)
4)「災害とコミュニティラジオとまちづくり」
      ー阪神淡路大震災と新潟県中越地震の経験から学ぶー」
   報告者:日比野純一
   (世界コミュニティラジオ放送連盟日本協議会代表)
   (FMわいわい代表)

第2部:ディスカッション(16時10分−17時30分)

ワークショップには、タイ語と英語の通訳がつきます。
参加を希望される方は、メールまたはFAXで以下までお知らせください。

主催:AMARC JAPAN
   (世界コミュニティラジオ放送連盟日本協議会)
   〒653-0052神戸市長田区海運町3-3-8 FMわぃわぃ内
   電話 078-737-3196 FAX 078-737-3187
   URL http://www.tcc117.org/amarcjp/
   E-Mail amarcjp@tcc117.org

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出稼ぎビルマ人の情報支援ツール − タイ、インドネシアの被災地を訪ねる(その4)−
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モガン民族の村から車で30分走ると、バンナムキム村のコミュニティセンターがある。銀行という看板がかけられ、建物の中に入ると、コミュニティラジオのスタジオやインターネットが無料で使えるパソコンコーナー、それに村人が作った工芸品の販売スペースもある。

バンナムキム村コミュニティセンターは、津波の後にタイの財団やNGO、それに外国の政府の支援で設立され、村人を対象にした低金利の無担保融資(マイクロクレジット)、住宅供給、そしてコミュニティラジオなどによるコミュニケーション促進といった復興のまちづくり活動を行っている。ここでは現在18人のスタッフが働いていて、みな忙しそうにしている。コーディネーターのミトリさんは「津波の前まではただの村人だったけど、今は村人達の役に立てるこのセンターで働くことができてとても誇りに思う」と仕事が楽しげだ。

このセンターのマイクロクレジットは、タイの財団による600万バースの寄付を基金にして利子5%で住宅再建などの生活復興に限った資金を村人に融資しているDonationという仕組みと、村人1000人がメンバーになって毎月100バースを積み立てていくCommunity Saving Fondという仕組みの二つがある。Community Saving Fondの利子は10%とやや高いが、1000人のメンバーは皆で貯めた200万バーツの基金から比較的目的を自由に融資が受けられる。このマイクロクレジット事業は、津波から2年間はタイの財団の支援を受けていたが、現在は自立運営し、利子収入はコミュニティセンター全体の収入の10%に達している。

住宅供給プロジェクトは、タイのNGOとデンマーク政府の支援により、津波で破壊された村人の住宅再建に取り組んでいる。

コミュニティラジオは、コミュニティセンターの一つの活動として津波の後に始め、当時はデマや噂が絶えなくて、それを解消していくのにラジオを活用していくことが最も効果的であったという。そして午前中に訪問したパンガ町のコミュニティラジオ局と同様に、ここでもタイのNGOがビルマ語の放送をしている。

タイ南部のアンダマン海に沿った地域には多くのミャンマーからの移民が住んでいる。Tsunami Action
GroupというNGOの報告では、20万人以上のビルマ人がこの地域に暮らしていて、3万人以上が津波の被害に遭った。その3万人のうち、かなりの人数が密入国者で、彼らは捕まるのを怖れて救援サービスを受けることができなかった。その溝を埋めるために、国内および国際NGOが他の被災者と同様のサービスを彼らに提供していき、その一つが被災者キャンプに設置された緊急ラジオ局(写真)からビルマ語による放送であった。

p_thai07.jpg


津波から2年8ヶ月が経過したバンナムキム村は、リゾートコテージや住宅の建築があちらこちらで進んでいる。そして建築現場で働いている人の多くがビルマ人労働者だ。津波以前は漁業に従事している者が大半だったが、漁業産業が津波で大きな痛手を受けたために雇用の受け皿が減り、今は復興の建築現場で働いている人が多い。ビルマ人居住地域は非常に貧しく、モガン民族同様にタイ人からは差別されている。

津波の後に始まったコミュニティラジオは、FMわぃわぃと同じようにビルマ人のライフラインの一つになっていた。

(つづく)

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